Q18 中高年者のスポーツの目的について教えてください。
A18  中高年者の場合、基本的には健康維持増進を目的としている人がほとんどです。中には、マスターズ大会などへの参加を目的とした競技を行っている人もいます。(待井一男)
Q19  中高年者がスポーツをする際に見られる事故や傷害にはどのようなものがありますか?また、重篤な事故を防ぐにはどのようにすればよいですか?
A19  大部分は、整形外科的な傷害ですが、重篤な事故として、突然死を招くような心臓病(心筋梗塞)や脳血管障害があります。
 中高年者のスポーツ中の重篤な事故を防ぐには、スポーツを始めるにあたって、参加するためのメディカルチェックを受けることをお勧めします。外見上健康と思われる人が、メディカルチェックを受けて初めて生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・脂肪肝・高尿酸血症・痛風など)のほかに、潜在性の心臓病と診断される場合があります。すでに、生活習慣病や心臓病と診断されている人も、スポーツを始める際には、メディカルチェックを受けて、自分に合った運動処方をしてもらう必要があります。(待井一男)
Q20 スポーツに参加するために行われているメディカルチェックとは、どんなことをするのですか?
A20

 中高年者のスポーツ中における突然死の大部分は、循環器系に何らかの異常を有する人が多くみられます。そのためメディカルチェックは、循環器系のチェックが中心となります。
 表1は、メディカルチェックの手順を示したものです。(待井一男)

表1スポーツのためのメディカルチェックの手順

@間 診   家系に突然死があるかどうかを確認
       診既往圃こ失神発作あるいは感染症があるかどうかを確認最近の自覚症状の
       有無の確認

A理学所見  心雑音・不整脈の有無の確認、血圧測定

B血液検査  赤血球数、白血球数、ヘモグ□ビン、ヘマトクリットの測定

C生化学検査 GOT,GPT、γ一GTP、総蛋白、総コレステロール、中生脂肪、尿酸、BUN、ク       レアチニン、血糖の測定

D尿検査   尿蛋白、原潜血、尿糖の有無の確認

E胸部X線写

F安静時心電図

Q21 生活習慣病に対するメディカルチェックで注意すべき点を教えてください。
A21  中高年者のスポーツ中での死亡およびニアミス事故の大部分は、生活習慣病を有する人に発生しています。
 生活習慣病保有者は、動脈硬化が進行しているため、狭心症・心筋梗塞・脳血管障害を起こしやすくなります。
 生活習慣病保有者には、Q20の表1に掲げた項目に加えて以下のチェックが必須とされます。
 高血圧症の場合は、眼底検査や運動負荷心電図のほかに必要があれば脳および大動脈CT、あるいはMR1検査を行います。
  糖尿病の場合は、尿ケトン体定性や眼底検査が必要です。
  肥満症の場合は、肥満度および体格指数(BMl)の計測が必要です。
  高脂血症患者の場合は、LDLコレステロール値測定が必須検査となります。糖尿病・肥満症・高脂血症患者のいずれの方もスポーツを始める前に、安静時心電図検査で異常が認めらている場合には、運動負荷心電図による検査が必要です。
 不整脈のある方も、運動負荷心電図やホルダー心電図による検査が必要です。(待井一男)
Q22 生活習慣病の予防や進展防止のために、中高年者はどのような運動を行ったらよいですか?
A22

 酸素を取り入れる運動を行いましょう。
 中高年者に望ましいのは、酸素を十分に取り入れながら血液循環をよくし、心肺機能を高める運動(エアロビクス)が望ましいとされています。特にジョギング・ダンス・サイクリング・スイミング・ゴルフ・卓球などが進められます。
○運動の強さと程度について
年齢      心拍数
40〜60才    120〜130拍/分
61才以上    110〜120拍/分

上の表のような運動を20〜30分間週2〜4回の割合で実施するのが適当です。
○筋肉の強化や筋血流の改善を目的とする場合は、体操が望ましいでしよう。
 肩こりの予防のためには、肩・腕の運動を欠かすことができません。(待井一男)

Q23 中高年者がスポーツをする上で注意すべき点を教えてください。
A23 @準備運動を必ず行いましょう。
 中高年者の場合、からだが運動に適応するまでに時間がかかります。
 運動の前に5〜10分の準備体操・ストレッチ体操をする必要があります。
A勝敗にこだわらないことが大切です。
 中高年者がスポーツをする場合は、勝敗にこだわらずに、無理なく楽しみながら行いましょう。
B体調にあわせて、正しい方法で行いましょう。
 自分の体調にあわせて、正しい方法で継続して行うことが重要です。(待井一男)