スポーツ医・科学委員会(スポーツ栄養士部会)

認定スポーツ栄養士養成講習会・スキルアップ講習会 

令和7年度スキルアップ講習会 

 令和7年7月27日(日)、福島県青少年会館において「福島県スポーツ協会認定スポーツ栄養士スキルアップ講習会」を開催しました。この講習会は、スポーツ愛好者や競技スポーツ活動における栄養・食事に関する専門的なサポートの担当や、スポーツ医事・トレーニング相談事業等の講師を務める本協会認定スポーツ栄養士としてのスキル向上を図ることを目的としており、県内各地から認定スポーツ栄養士19名が参加しました。

 講習会では、はじめに当協会認定スポーツ栄養士部会の中村啓子会長からあいさつがあり、酒井副部会長から講習会の趣旨説明をしていただきました。

〈スポーツ栄養士部会 中村 啓子 部会長〉

〈スポーツ栄養士部会 酒井有理子 副部会長〉

 今回のスキルアップ講習会では、どの講師の先生からも「選手に寄り添い、よく話を聴くこと」が何よりも重要であるという共通のメッセージが伝えられました。

 講習会の内容は以下のとおりです。

〈講師:山口 明子 氏〉
福島県立医科大学 産科婦人科学講座准教授
福島県立医科大学附属病院 性差医療センター部長
福島県スポーツ協会スポーツ医・科学委員
JSPO公認スポーツドクター

テーマ
「女性アスリートのスポーツ障害と栄養」

 「月経に関する基礎知識」「女性アスリートの三主徴」「女性アスリートの三主徴に対する管理」について、正しい知識をもつことの大切さと、アスリートに対して、指導者・医師・栄養士・運動療法士などの専門家がチームとしてサポートする必要性について、具体的な症例や豊富な資料を基にご講義いただきました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 具体的な症例が挙げられ、基本的なことから対応まで様々なことが学べてよかった。
〇 学校の生徒に指導する栄養教諭等にも聴いてもらいたい内容だった。
〇 女性ならではの内容で、初めて聞く内容なのでよかった。
〇 女性アスリートの課題についてよく分かった。対処法についても学ぶことができた。
〇 基礎的なところから説明していただき理解が深まった。実際の栄養士との連携を聞くことができて参考になった。
〇 月経の重要性をしっかり伝えられる栄養指導ができるようになりたい。

〈講師:菊池  悟 氏〉
医療法人社団 敬愛会 理事長
福島南病院 血液内科

テーマ
「スポーツ貧血の予防と改善」

 この講座では、血液と赤血球の重要な役割について、大変分かりやすく解説していただきました。 
 続いて、貧血の種類や、アスリートに多い「スポーツ貧血」の原因、予防法、治療法について、具体的で詳細なご説明がありました。特に、スポーツ貧血のほとんどが鉄欠乏性であるという点は、参加者にとって非常に重要な情報でした。さらに、貧血治療薬とドーピングの関係についても触れていただき、アスリートをサポートする上で欠かせない専門知識を学ぶことができました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 貧血の種類やそれぞれの治療、病態について学ぶことができた。
〇 MCV(平均赤血球容積)について学べて大変よかった。
〇 「病院処方の錠剤はドーピングにならない。鉄サプリや輸入サプリはドーピングになる可能性大。」ということを改めて覚えておきたい。
〇 菊池先生のお話が上手で聴きやすく、貧血について理解できた。
〇 貧血について例えが分かりやすく、詳しく学ぶことができた。
〇 健康診断等の血液の内容で、数値をよく確認したいと思った。

〈講師:青木 祐輔〉
福島県スポーツ協会生涯スポーツ係
JSPO公認ソフトテニスコーチ1

テーマ
「スポーツの現場から(ソフトテニス)」
 ~スポーツ栄養士に期待すること~

 前半は、講師の選手・監督時代の経験から、競技の特性や中高生のアンケート、指導者の視点から見えてくる栄養面の課題が提示されました。後半は、前半の課題を解決するためのグループワークを実施。3~4人のグループに分かれ、「競技面」「指導面」「サポート面」の3つのテーマから各自が1つを選び、解決策を考えました。同じテーマを選んだ参加者同士で意見を交換したり、得た情報をグループ内で共有したりすることで、参加者全員が主体的に学び合い、栄養サポートについて深く考える時間となりました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 グループワークの方法について、自分も活用したいと思った。
〇 実践的な内容で、楽しく聞くことができた。
〇 現場の先生や生徒が、栄養に対して何が必要と思っているのかが分かった。
〇 ソフトテニスについてよく分かり、サポートを考えることができた。
〇 現場視点での課題がよく分かった。栄養士としてどう回答するか改めて考えてみたい。
〇 グループワークを取り入れてくださり、課題策の考え方、まとめ方など楽しく学ばせていただいた。今後、参考にさせていただきたい。

〈講師:武藤 真紀 氏〉
福島県スポーツ協会スポーツ栄養士部会員
JSPO公認スポーツ栄養士

〈講師:武田 美香 氏〉
福島県スポーツ協会スポーツ栄養士部会員
JSPO公認スポーツ栄養士

テーマ
「実践報告(栄養アセスメントについて)」

 栄養アセスメントにおける食事調査の重要性について、具体的な事例を交えながら学ぶことができました。
 講師からは、正確な評価・判定につなげるため、栄養サポートで行う食事調査の精度をいかに高めるか、様々な工夫が共有されました。ツールや聞き取りの際のポイント、そして、日頃の業務で直面する苦労など、実践報告ならではの内容で、参加者にとってとても有益な時間となりました。     

◇◆受講者の声◆◇
〇 自分が働いている場面でも同じような悩みがあり、とても勉強になった。
〇 食事調査を行ってマネジメントを頑張ってもすぐに思うようにいかないことが多いが、継続が大切だと思った。ツールの活用がとてもよかった。
〇 栄養教諭は、単に学校給食のメニューを立てるだけではなく、アセスメントや聞き取りなど多くを担っていて大変である。だからこそ、子どもの食事は小さいうちから大切にしていかなければならないと思った。
〇栄養アセスメントについて、特に食事調査について再認識できました。聞き取りは大事だと思っていた。量はお菓子の袋の大きさで確認することが必須である。
〇 実際の介入方法が聞けてとても参考になった。お薦めの書籍やツールを教えていただけてよかった。
〇 武藤先生からは、アセスメントの精度の上げ方と写真法について、武田先生からは、3つのワザについて学んだ。参考にしたい。
〇 心のこもったサポートの様子が目に浮かんだ。
〇 食事の聞き取り調査の難しさを十分に学ぶことができた。

講習会の様子

               

 

令和6年度養成・スキルアップ講習会 

 令和6年7月14日(日)、福島県青少年会館において「福島県スポーツ協会認定スポーツ栄養士養成・スキルアップ講習会」を開催しました。この講習会は、スポーツ愛好者や競技スポーツ活動における栄養・食事に関する専門的なサポートの担当や、スポーツ医事・トレーニング相談事業等の講師を務める本協会認定スポーツ栄養士としてのスキル向上を図ることを目的としており、県内各地から養成対象の新規受講者が12名、認定スポーツ栄養士13名が参加しました。

 なお、養成講習会については、平成29年度以来6年ぶり3度目の開催となりました。

 講習会開講式では、はじめに福島県スポーツ協会スポーツ医・科学委員会の堀川哲男委員長、スポーツ栄養士部会の中村啓子部会長よりあいさつがありました。

〈スポーツ医・科学委員会 堀川 哲男 委員長〉

〈スポーツ栄養士部会 中村 啓子 部会長〉

 講習会の内容は以下のとおりです。

〈講師:酒井 有理子 氏〉
公立藤田総合病院 
JSPO公認スポーツ栄養士
福島県スポーツ協会スポーツ栄養士部会副部会長

テーマ
「認定スポーツ栄養士の役割」

 公益社団法人日本栄養士部会ホームページより、公認スポーツ栄養士について触れた後、「スポーツ医事・トレーニング相談事業や中高の部活、スポーツ少年団などでの栄養講座の講師を含む、スポーツ愛好家、競技者のスポーツ活動における栄養や食事に関する専門的なサポートを担当する」といった、福島県スポーツ協会認定スポーツ栄養士の役割についてご講義いただきました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 認定スポーツ栄養士として地域貢献をしていきたい。
〇 よりスポーツ選手や運動する人の役に立ちたいと思った。
〇 認定スポーツ栄養士の役割や意義について学ぶことができた。

〈講師:渡邉 和之 氏〉
福島県立医科大学医学部
脊椎脊髄外科アカデミー・整形外科学講座

テーマ
「成長期に多いスポーツ障害について」
   ~整形外科の立場から~

 主にバスケットボール競技における外傷や障害を例に挙げながら
「代表的なスポーツ外傷・障害について」「成長期の身体的特徴と競技特性を理解して、診断・治療、スポーツ復帰を考えていく必要がある」「受傷時だけではなく、将来的な影響を考慮する必要がある」といった内容について、最新の情報や豊富な資料を基にご講義いただきました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 「痛みがある状態では、下手になるために練習しているようなもの」と、改めて参考になった。
〇 競技が限定されたことで、逆に詳しく知ることができよかった。身近な障害・ケガが分かりやすかった。
〇 子ども達の将来を見据えて、スポーツ障害を知ることが大変重要と思った。

〈講師:菅野 秀二郎 氏〉
やまぐち整形外科クリニック
JSPO公認アスレティックトレーナー

テーマ
「スポーツ選手を支えるアスレティックトレーナーの役割」

 講師ご自身の経験を踏まえながら、アスレティックトレーナーの役割やコンピテンシー(高い業績や成果に繋がる行動特性および能力)、対応すべきリスク管理、倫理と責任、そしてスポーツ栄養士との連携など、とても詳しくご講義いただきました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 アスレティックトレーナの役割が分かった。その競技のルールなどを学ぶ必要があることを学んだ。
〇 トレーナーとしての関わり方を分かり易く教えていただいた。本音で語ってくださり、非常に興味深かった。
〇 チームでの役割、自分にできることの理解を感じた。

〈講師:諏訪 雅貴 氏〉
郡山女子大学家政学部食物栄養学科

テーマ
「運動による持久力と骨格筋の代謝機能の適応」
       ~運動生理学~

 競技スポーツにおいて、高強度の運動を長時間続けるための仕組みについて、運動と血糖値、または栄養素等に触れながら、専門的な内容をアニメーションや図案化した資料で分かり易くご講義いただきました。 

◇◆受講者の声◆◇
〇 運動中の血糖値の変化が興味深かった。
〇 久しぶりに運動生理学の話が聞けてよかった。
〇 糖質を枯渇させない重要性を理解した。

〈講師:高萩 多香野 氏〉
JSPO公認スポーツ栄養士

 

テーマ
「スポーツ栄養士の現場から」
   ~自転車競技~

 自転車競技の栄養サポートについて、自転車競技の特性から求められる身体づくり、トレーニング方法に合わせた栄養補給、自転車競技スポーツ栄養マネジメントなど、これまでの関わりから感じたことを、映像や根拠となる数値を交えながらご講義いただきました。

◇◆受講者の声◆◇
〇 ルールを学ばないと栄養指導ができないことを学んだ。各々に合う食事、合わない食事があり、それに対応することが必要であることを学んだ。
〇 自転車競技についてとても詳しく学ぶことができた。大変興味をもった。
〇 高萩先生のこれまでの歩みや振り返りを知ることができ、大変参考に
なった。おススメの補食を知ることができて勉強になった。

〈コーディネーター:酒井 有理子 氏〉
福島県スポーツ協会スポーツ医・科学委員会
スポーツ栄養士部会副部会長

【情報交換会】

〇 自己紹介

 タイムマネジメントをしっかりすることを意識し、「一人一分」を目安に、受講者全員が氏名や現在の仕事のほか、今後サポートしたい内容、または現在のサポート内容について述べました。

〇 スポーツ栄養関連学会&講習会について

〇 情報提供
  ・ 定期勉強会について
  ・ 医事・トレーニング相談事業資料等について

 提供資料の共通理解を図るとともに、使用方法や使用場所について参加者全員で確認しました。

 

 

令和5年度スキルアップ講習会 

 令和5年7月16日(日)、キョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)において「福島県スポーツ協会認定スポーツ栄養士スキルアップ講習会」を開催しました。この講習会は、スポーツ医事・トレーニング相談事業等の講師、スポーツ愛好者や競技スポーツ活動における栄養・食事に関する専門的なサポートを担当する本協会認定スポーツ栄養士としてのスキル向上を図ることを目的としており、県内各地から認定スポーツ栄養士13名が参加しました。

 講習会では、はじめに当協会認定スポーツ栄養士部会の中村啓子会長からあいさつがあり、山﨑副部会長から講習会の趣旨説明をしていただきました。
 その後、午前は、社会医療法人福島厚生会福島第一病院循環器内科部長、健康管理部アンチエイジング部長の星野寧人氏から「食事と運動で目指すアンチエイジング」の講義をいただき、午後は、福島県スポーツ課指導主事の大槻さおり氏による「スポーツの現場から(ジュニアアスリートの育成)~スポーツ栄養士に期待すること~」をテーマにした講義を行いました。さらには、当協会認定スポーツ栄養士で日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士でもある武藤真紀氏による「スポーツ栄養と栄養教諭の関わり」の講義や活動状況報告など、スポーツ医事・トレーニング相談事業の講師派遣に向け情報交換会を行いました。


講義① 星野 寧人 氏
「食事と運動で目指すアンチエイジング」


講義② 大槻 さおり 氏
「スポーツの現場から」
~スポーツ栄養士に期待すること~
講義③ 武藤 真紀 氏
「スポーツ栄養と栄養教諭との関わり」

 

< 受講者の声 >
【講義①】
〇 塩分摂り過ぎは、幼少期の頃からの薄味に慣れることで改善すべきと考えました。
〇 小学生に「生活習慣病」になる原因や病態について説明する授業があります。説明のヒントになりました。
〇 医療の福島県の現状と共に、予防医療について知る事ができ、とても興味深かったです。
【講義②】
〇 演習をすることで、改めて一人一人に合った伝え方が大事なことを認識しました。
〇 経験談や実情を踏まえてお話していただき、競技者や保護者、指導者が求める栄養に関する情報がどのようなものか知る    ことができました。
〇 自己マネジメント能力をしっかりと育成する必要があると思いました。
【講義③】
〇 栄養教諭の立場として、とても学ぶべきことが多かったです。
〇 個別指導の栄養ケアマネジメントの流れなど、再確認できました。実践していけるように努力したいです。
〇 チームで行うことの大切さを再認識させていただきました。

講習会の様子

               

 

令和4年度スキルアップ講習会

 令和4年7月10日(日)、福島県青少年会館において「福島県スポーツ協会認定スポーツ栄養士スキルアップ講習会」を開催しました。この講習会は、スポーツ医事・トレーニング相談事業等の講師、スポーツ愛好者や競技スポーツ活動における栄養・食事に関する専門的なサポートを担当する本協会認定スポーツ栄養士としてのスキル向上を図ることを目的としており、県内各地から認定スポーツ栄養士18名が参加しました。

 

 昨年度に引き続き、今年度も感染防止対策を適切に講じながら講習会を開催しました。講習会では、はじめに本協会認定スポーツ栄養士部会長の中村啓子氏からあいさつがあり、山﨑副部会長から講習会の趣旨説明と今年度の新部会員の紹介をしていただきました。
 その後、午前は、福島県立医科大学 産科・婦人科学講座所属の山口明子講師から「成長期における女性のスポーツ障害と栄養について」の講義①をいただき、午後は、福島県スポーツ課指導主事の阿部仁講師から「スポーツの現場から(陸上競技・ハンドボール競技)~スポーツ栄養士に期待すること~」をテーマにした講義②を行いました。さらには、スポーツ医事・トレーニング相談事業の講師派遣に向けた資料づくりや地区のネットワーク構築に向けた情報交換会を行いました。

 講義①では、スポーツドクターでもある山口氏の医学的知見から、女性アスリートの三主徴(①利用可能エネルギーの不足②無月経③骨粗しょう症)についての基礎知識や原因・対処法・スポーツ栄養士としての関わり方等について学びました。特に女性にとって、選手時代の食事量の少なさと運動量の多さが原因となって発症する摂食障害などが、選手を終えたその後に大きな影響を及ぼしてしまう危険性について理解を深めると同時に、スポーツ栄養士の果たすべき役割とその重要性を認識することができました。
 講義②では、阿部氏の選手・監督時代の経験をもとに現場に即した話があり、競技の特性やルール・大会日程等を踏まえた選手へのアプローチや、現代の中学生・高校生の一日の生活スケジュールを踏まえた適切な栄養指導はどうあるべきかなどについて深く考える時間となりました。
 情報交換会では、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士の4名が班のリーダーとなり、自己の悩みやそれぞれの地区の課題について情報を共有し、その解決方法について話し合ったり、資料づくりに取り組んだりしながら積極的に相互の連携を深めスキルアップに取り組みました。
 受講後には、「産科婦人科診療ガイドラインなどの新しい情報も含め、女性アスリートの成長期における障害と栄養の関係性について深く学べて大変勉強になった。」「スポーツ指導者の悩みや大変さ、栄養士が選手・指導者から求められていることについて知れて良かった。」「日頃の悩みや課題について協議できて大変良かった。医事トレ講師として頑張りたい。」といった感想がありました。
 受講者の皆様には、本講習会での学びを生かし、コロナ禍においても自身ができるサポート活動について主体的に考えながら、それぞれの現場でより一層御活躍されるとともに、本県スポーツの発展に力を発揮していただければと思います。

 

中村啓子部会長 あいさつ

山﨑有里子副部会長 あいさつ

山口明子 講師

阿部 仁 講師

講習会の様子

これまでの講習会の様子

 

スポーツ栄養士部会 

令和2年度(公財)福島県体育協会スポーツ栄養士部会 

 令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、書面開催となりました。             

これまでの栄養士部会の様子

 

 

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